ある程度年齢を重ねると、顔の筋肉は衰え、重力に逆らいきれずに下に引っ張られてしまうようになり、たるみやシワができてしまいます。
日頃、意識的に顔の筋肉を鍛えたり、肌を健康的に保つ努力をすれば、ある程度の老化現象は食い止められますが、いずれは「フェイスリフト」といった手段に頼らざるを得なくなるでしょう。
フェイスリフトとは
顔の老化とは、皮下に存在する3つの脂肪のかたまり(脂肪塊)が萎縮するとともに表情筋や皮膚がたるむ事です。この老人様のフェイスラインをできるだけ目立たない傷跡で、しかも解剖学的に効果的に引き上げる美容外科の手術がフェイスリフトです。
手術の概要ですが、耳の上端から髪の毛の生えている頭皮の中を3~10cmを切り上げ、毛根をに障害を与えないように皮下を剥離する、「こめかみリフト」、耳の穴に隠れるように耳の前方の皮膚を切開し、できるだけ法令腺まで皮下を剥離して皮膚をつりあげる「ラテラールリフト」、「ラテラールリフト」ではSMAS(表情筋の膜様組織)もつりあげます。
「ラテラールリフト」に続くように耳の裏側に切開をのばし、顎下から首のたるみやしわをのばす「ネックリフト」、「ネックリフト」では広頚筋(頚の皮下すぐの筋肉)を引き締める手技を行い、顎下の老人様たるみ(チキンネック)を矯正することもあります。
以上の手術の組み合わせで、患者さんに合せた手術治療を行うのです。いかなる「メスを使わない美容外科」的治療法もこのフェイスリフト手術法には遠く及びません。
フェイスリフトならば、皮膚を広範囲に剥離しないで済むため腫れも少なく、筋膜を一緒に引き上げるのでしっかりと固定でき、従来のように皮膚だけを引っ張っていた方法よりも断然効果が高まり、確実な「顔のたるみとり治療」、「顔のしわとり治療」と言えるのです。
フェイスリフト手術が確実に行われれば、リバウンドも少なく、リフティング効果は10年から半永久的といわれています。
フェイスリフトのメリット
フェイスリフトのメリットは、
- 他の方法では改善できないたるみやしわをなくすことが可能
- 切開した傷は髪で隠すことができる
- 傷跡はシワのラインに沿うためほとんど目立たない
などがあげられます。
フェイスリフトのデメリット
デメリットとしては
- 術後に腫れや内出血があり
- 腫れがひくまでに2週間程度かかること
- 人によってはまれに強く腫れが出る場合があること
- 激しいスポーツ・飲酒などはしばらく控える必要がある
等があげられます。
フェイスリフトの効果
フェイスリフトによる若返り効果はどの位あるのでしょう。気になるところです。
まず、手術後の印象ですが、目安として10~15歳若く見られるといったレベルです。もちろん個人差はありますが、実年齢よりも30歳も若く見えるというような、あまりにも劇的な変化は期待しない方が良いでしょう。
イメージとしては、起きている時の状態が、横になって仰向けで寝ているような状態に変わる感じであると理解しておくと良いでしょう。
フェイスリフトだけでは解消できない、目の上下まぶたのシワやたるみ・ひたいのシワの手術もあわせて行うとさらに若返り効果がアップするとされています。
フェイスリフトにかかる費用
フェイスリフトにかかる費用ですが、もちろん医療保険は利用できませんので、全額自己負担となります。具体的には、経過が順調で入院の必要がなければ200万円程度の場合が多いようです。
ただし、これはあくまで一般的な額である事に注意して下さい。手術する医療施設や、その内容により費用も大きく変わってきます。事後のトラブルを避けるためにも、事前に医師と十分に話し合い、手術内容やそれに伴う費用など納得した上で実行することが一番大切です。